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レインズってなに?

不動産事情

久賀田 康太

筆者 久賀田 康太

不動産キャリア10年

学生時代はサッカーに打ち込みました。現在はゴルフです。
いかに練習に行かずに平均スコアを80台前半に落ち着くよう、
イメージトレーニングを中心に頑張っています。

不動産屋さんで「レインズ」というワードがでてきたんですが、何ですか?
→レインズとは、不動産会社だけが利用できる不動産情報サイトのことです。
「レインズ(REINS)」とは「Real Estate Information Network System」の略で、
直訳すると「不動産情報ネットワークシステム」、
すなわち、国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営している、
コンピューターネットワークシステムのことです。

レインズには、現在、売却や賃貸に出されている家やマンション、土地などの不動産の情報が掲載されています。
さらに、過去に取引された不動産の成約価格などの情報も調べることができるため、不動産取引の際の重要な情報源となっているのです。

レインズを使えるのは不動産会社だけ


かつて不動産情報は、不動産会社間でもほとんど共有されておらず、
消費者は不動産会社に行ってみないと、希望する物件があるのかどうかわかりませんでした。
したがって、物件ごとにいくつもの不動産会社を回らなければならかなったのです。
今でも、「不動産1件1件回らないと、良い物件に出会えない」と信じている方もいらっしゃいますが、
上記レインズ、もしくはスーモかアットホームに9割の情報は載っています。
各不動産会社が持っている情報をこの「レインズ」にひとつに集めて検索できるように、不動産会社間をつなぐためのサイトとしてレインズが作られました。
レインズが作られたことにより、消費者がわざわざ違う不動産会社に足を運ばなくても、
ほかの不動産会社が持っている物件を紹介することができるようになったのです。

一般の人が使えないのは個人情報を守るため


レインズが一般に公開されていないのは、個人情報を取り扱っているという理由からです。
問題が生じたとき、責任の所在を明確にするためにも、免許を受けた不動産会社(宅地建物取引業者)でなければ利用できません。
不動産会社間で、レインズなどを通して多くの情報の交換が行われますが、あくまでもお互いに「守秘義務」を前提としています。
ちなみに、不動産会社が支払う毎月のレインズ使用料は、数千円程度です。

レインズは4つに分かれている


レインズを運営しているのは、不動産流通機構です。
不動産流通機構は国土交通大臣に指定されており、不動産取引の適正化と円滑化を目的としています。

全国に4組織あり、地域によって管轄がそれぞれ東日本不動産流通機構・中部圏不動産流通機構・近畿圏不動産流通機構・西日本不動産流通機構に分かれています。

・東日本不動産流通機構
・中部圏不動産流通機構
・近畿圏不動産流通機構
・西日本不動産流通機構

レインズに登録させるメリット


スピーディーな売買が実現できる。
レインズに売却物件の情報を登録することで、登録している多くの不動産会社に素早く情報を訴求できるため、スピーディーな不動産売買の実現が期待できます。
レインズを使えば、昔のように電話やファックスなどで物件情報を問い合せる必要がありません。全国の物件をパソコン画面で簡単に検索でき、詳細な情報や図面などもシステムで確認することができるため、スピーディーにやり取りできます。

安全で公平な不動産取引を促すことができる
レインズに物件情報を登録して公開することで、売主は自分の物件が適切に取引されているかをチェックできるため、より安全で公平な不動産取引を実現できます。

不動産売買の媒介契約は、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類です。
このうち「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」ではレインズへの登録が義務付けられています。

媒介契約の種類 レインズへの登録義務
専属専任媒介 契約日から5日以内
専任媒介 契約日から7日以内
一般媒介 特に決まりはない(任意)
このように、媒介契約の種類によってレインズに登録するまでの期限が定められており、不動産会社は必ずこの期限内までに物件情報を登録しなければなりません。
また、レインズに物件情報を登録して売主自身が確認することで、後ほどくわしく説明する「囲い込み」という不正行為を防ぐことができます。

売主ができるレインズの活用方法


レインズは、登録している不動産会社しか利用できないシステムです。
しかし、売主がレインズを上手に活用すれば、不動産をより早く、高く売るための手助けになります。

ここでは、売主としてレインズを活用する方法や注意点について説明します。
レインズに情報が掲載されているかを確認する
不動産会社の中には、両手仲介を取ろうとして期間を過ぎてもレインズに登録しない悪質な不動産会社が存在します。
※両手仲介:買主を自社で見つけて、売主側と買主側、両方の仲介手数料を得ること

不動産会社と媒介契約を結び、レインズに物件情報を掲載してもらったら、きちんと情報が掲載されているかどうかを確認することが大切です。

レインズには、「取引状況管理機能」があります。
この機能を使えば、売却中の自分の物件がどのような状況にあるかを確認できます。

レインズ登録物件の取引の状態を表す項目は、以下の3種類です。
「公開中」・・・他の不動産会社からの問い合わせを受け付けている状態
「書面による購入申し込みあり」・・・不動産会社が書面による購入申込みを受けた状態
「売主都合で一時紹介停止中」・・・売主の事情により一時的に物件を紹介できない状態
「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」と結んで不動産会社がレインズに物件情報を登録すると、登録証明書を発行してもらえます。

この証明書に記載されているIDとパスワードを使って「売却依頼主物件確認」画面にログインすれば、登録内容の確認が可能です。

取引状況が、「公開中」となっていることを確認しましょう。売主に何も連絡も来ていないのに「購入申込あり」や「一時紹介停止中」になっている場合は、「囲い込み」をされている可能性もあります。

「囲い込み」に注意


「囲い込み」とは、「すでに商談中です」「購入申し込みが入っています」など虚偽の情報を流し、他の不動産会社が連れてきた買主に物件の 紹介や契約をさせないことです。
不動産会社が囲い込みをする理由は、先にも述べたように、できるだけ自社で買主も見つけて売買契約を成立させる「両手仲介」にして、仲介手数料を両方から得たいためです。
しかし、これは 顧客の利益を考えないで自社の利益のみを追求した悪質な手口です。
囲い込みは、売主にとっては『売却機会の損失』でしかありません。
囲い込みをされないように、レインズの取引状況をしっかりと確認しましょう。

「レインズ・マーケット・インフォメーション(REINS Market Information)」


一般の人向けに不動産流通機構が公開している、不動産取引情報の検索サイトです。
自分が売りに出している物件の地域の相場感はこの検索サイトで調べることができます。
なかなかおもしろいので活用してください。

この記事の執筆者

このブログの担当者  久賀田 康太

保有資格:宅地建物取引士

1985年生まれ。

大阪府守口市出身。

関西大学法学部法律学科卒業。

住友不動産販売株式会社にて土地、中古戸建、新築戸建、一棟収益物件、工場、田畑等の売買仲介業務にて実務経験を積む。

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