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不動産売却 成功体験 その①

体験談

久賀田 康太

筆者 久賀田 康太

不動産キャリア10年

学生時代はサッカーに打ち込みました。現在はゴルフです。
いかに練習に行かずに平均スコアを80台前半に落ち着くよう、
イメージトレーニングを中心に頑張っています。

この記事は、私が経験させていただきました取引のご紹介です。


もっと高く出してみませんか?


約8年ほど前の話です。
以前働いていた会社での話。あるご家族3人で店に来店されました。
お母さま(名義人)、その息子様、息子様の奥様でご来店されました。
お母さまが現在住んでいる家がかなり老朽化のため、雨漏りもしてきているので、
現自宅を売却して息子様と同居したいという希望でした。
いろいろな不動産会社で売却相談をされたようで、
私が対応させていただいたときには計4社目だったそうです。
他の会社での査定では「高く売れても900万円程、だいたい500万円ぐらいが相場かな」と言われてきたみたいです。確かに前面道路の間口が2m程しかありませんし、なかなか複雑な土地の形状をしていました。

売主様の真意は何なのか?


しかし、せっかく4社目にも足を運んでこられているので、私は「2900万円で出してみましょう。
もし全く反響が無ければ3ヵ月に渡って下げていきましょう」という提案をしました。
土地の相場感、駅からの距離を勘案し、決して無茶苦茶な金額ではない感覚でした。

息子様「そんな高くで売れるんですか?」
私「売れるかは出してみないとわかりません。出してみて、1ヵ月全く反応が無ければ金額を変えてみましょう」と提案しました。
息子様「では専任媒介でお願いいたします」
私「一般媒介でいきましょう。是非他の会社にも頼んでみてください。」
息子様「余裕ですね」
私「いえいえ、余裕ではないですし、会社には怒られます、しかし、●●様のためです」

その場で一般媒介契約をいただきました。
一般媒介を記入いただいたのが夕方16時前、そこから物件資料を10分程で制作し、
その物件情報を20枚程コピーをして、その現地周辺の戸建にインターホンを鳴らして営業活動開始です。
「お隣さんが自宅売られるそうですが、興味ないですよね?」
上記フレーズを武器に、私の知り合いの米屋さん、市議会議員の先生等インターホンを鳴らして20時程になりました。
その日は全く反応がありませんでした。

が、2、3日後に会社の電話が鳴りました。

電話をくれた方「久賀田さんって方はいますか?」
事務スタッフ「今は外出しています。戻り次第折り返し電話させます」

私が事務所に戻り、お電話をくれた方に電話をしました。

一緒に売っていただけませんか?


その方は今回売却依頼を受けた土地の「隣地」の方で、私がお預かりした物件を売るなら一緒に売ってほしいという依頼でした。
この「隣地」というものは、建築基準法の道路に接していない、単独では再建築できない土地でした。
しかし土地の大きさは60坪ほどありました。
今回のお預かりした物件と合わせて売りますと、双方にメリットしかありません。
そして2つの不動産をまとめた物件資料を作り、合わせて販売活動をしました。
同じくインターホンを鳴らしての営業活動です。

私の土地も一緒に売ることは可能ですか?


すると、後日、「隣地」の方の土地のその「隣地」の方より会社に電話があり、そこも一緒に売ってほしいということになりました。

整理しますと、初めに来店された土地のみ道路に接していて、残り2件は初めの土地を売るタイミングでしか売却できなかったのです。
初めの3人が来店された際に、私はそのことにすぐ気づきました。
ひょっとして隣地の方々が一緒に売ります!という状況になれば、2,900万円で成約できると確信していました。
結果としまして、初めの2,900万円でお預かりした物件は媒介価格の2,900万円で成約、
他の2物件も合わせて一緒の買手様に購入いただき、皆様に喜んでいただきました。

あらゆる可能性を信じて、売主様の希望が何なのか、その希望に沿う形を実現するためにはどうすれば良いか、真剣に考えて今後とも活動していこうと思います。

この記事の執筆者

このブログの担当者  

久賀田 康太


保有資格:宅地建物取引士

1985年生まれ。

大阪府守口市出身。

関西大学法学部法律学科卒業。

住友不動産販売株式会社にて土地、中古戸建、新築戸建、一棟収益物件、工場、田畑等の売買仲介業務にて実務経験を積む。

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