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なぜ不動産会社は「高く」査定するのか?

不動産事情

久賀田 康太

筆者 久賀田 康太

不動産キャリア10年

学生時代はサッカーに打ち込みました。現在はゴルフです。
いかに練習に行かずに平均スコアを80台前半に落ち着くよう、
イメージトレーニングを中心に頑張っています。


不動産を売却する場合、「近くにある不動産会社に一度査定してみよう」ということで電話されるかと思います。その際、思っていた金額より「高い」金額で査定された場合、
不動産会社はあえて、高く査定している場合があります。
そもそも、「高く」査定することに、不動産会社にとって意味があるのでしょうか?

不動産仲介会社の収益はあくまで「仲介手数料」


不動産会社はどう利益を確保しているのでしょうか?
不動産仲介専門の会社の収益源は、不動産売買、賃貸ともに「仲介手数料」です。
この仲介手数料は、いつ発生するのでしょう?
それは売買でしたら、「売主様・買手様の取引が成立」したタイミングで発生します。
ですので、流れとしましては、

①不動産所有者から査定依頼
②査定書交付、訪問査定
③仲介の正式の依頼(媒介契約締結)
④販売活動
⑤買手様より問い合わせ
⑥売主様・買主様の案内調整
⑦買手様より購入相談・条件交渉・買手様ローン段取り
⑧買手様の条件での売主様の交渉
⑨条件合致・契約条件調整
⑩売買契約締結
⑪物件引渡段取り
⑫物件引渡(決済)

上記のような流れになりますが、
仲介手数料の発生のタイミングは
上記の⑩です。
それまでは無償で動きます。
ですので、おわかりかと思いますが、
不動産仲介専門の会社は、とにかく「売主様より物件の仲介の依頼」を受け、
買手を見つけ、契約まで交渉をまとめなければ、収益はゼロです。

「とにかく高値でも仲介の依頼を受けてこい!!」


私が以前勤務していた会社は所謂大手不動産仲介会社で、大型店舗に所属していましたので、
いろいろな営業マンがいました。
上記フレーズは、大手仲介会社では毎日のように上司の怒号が飛んでいます。
問い合わせがあった場合、「絶対に媒介とってこいよ!!」ということを毎日言われます。
そのため、お客様のことより、「上司に怒られないように動く」ことが求められます。
お客様から仲介依頼をいただけるのは、やはり「高い金額」の査定書を作成して提案する方が
売主様から媒介をいただきやすい傾向にあるようです。

高い金額で売りに出した場合どうなる?


一括査定で、どこの会社も平均3,000万円の査定相場観の土地を、5,000万円で出した場合、どうなるか?(実際に現在でもたくさん見受けられます!!)
売り出し初めは興味本位で問い合わせしてくるお客様も少なからずいらっしゃいます。
1週間が経ち、2週間が経ち、1ヵ月が経ちました。
営業マンから連絡が来ます。
「価格を下げてみませんか?」
結論ですが、営業マンは、だんたん価格を下げる提案をしてきます。
最終的には落ち着くところまで価格を下げていきます。

最終的には売主様の判断


お話ししたような形で、最終的には落ち着くところで落ち着きます。
ですので、「このぐらいの金額で売れるかと思いますが、最初は高く出してみましょう」
という提案に賛同される場合は問題ありません。
担当営業マンがいくらぐらいで売れるかきっちり把握して、その提案に売主様が納得できれば、
「高値で出す」ことは間違ってないと思います。
どんな相談でも構いませんので、
お気軽にご相談ください。

この記事の執筆者

このブログの担当者  

久賀田 康太


保有資格:宅地建物取引士

1985年生まれ。

大阪府守口市出身。

関西大学法学部法律学科卒業。

住友不動産販売株式会社にて土地、中古戸建、新築戸建、一棟収益物件、工場、田畑等の売買仲介業務にて実務経験を積む。

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