「北摂」って大阪のどこ?
目次:【「北摂」ってどこ??】
「北摂」ってどこ??
弊社へのお問い合わせで、関東圏にお住まいの方で
関西に転勤の内示が出た方から、
「北摂でさがしています!」というお声をよく耳にします。
「北摂市」も「北摂町」もありませんが、
そもそも「北摂」という呼び名はいつ呼ばれるようになり、
どのあたりを指すのでしょうか?
そのことについて記載します。
「令制国」とは?
「北摂」とは、「令制国」の摂津国北部に由来する地域名称です。
今の「都道府県」の、前の行政区分です。
そもそも「令制国」とは、日本の律令制に基づいて設置された日本の地方行政区分です。
律令国(りつりょうこく)ともいいます。
飛鳥時代から明治初期まで、日本の地理的区分の基本単位でした。
現在は行政区分としての機能は失われ、単なる地理的名称となっています。
東京を「江戸」とか言ったりします。その感覚だと思います。
北摂は、一般的には現在の大阪府北部を指す場合が多いですが、
昔の地図から考えると、
兵庫県南東部内陸の阪神北地域などを指す場合もあります。
現在の大阪府北中部の大半と兵庫県南東部(画像33あたり)を広く「摂津の国」と呼び、
古代には度々天皇の宮が構えられていたエリアでもありました。
私の勝手な解釈では、「摂津の国の北部⇒北摂」となったのかなぁと思います。(歴史学者の方、間違っていたらすみません)
その当時の呼び名が残っている名称もあります。
「越後」や「飛騨」、「筑後」などです。
「北摂」に該当する市は、現在ではどのあたり?
「摂津の国の北部⇒北摂」という名が令制国の摂津国北部に由来していることから考えると、
大阪北部から兵庫県南東部内陸の阪神北地域などを指すと考えられます。
しかし、令制国摂津の国の中心である「大阪」から見た方位を基に、
島上・島下・豊島・能勢の4郡を北摂、
川辺・有馬・武庫・菟原・八部の5郡が西摂(せいせつ)と呼んできた歴史もあります。
この場合の北摂を現在の「北摂エリア」と解釈するなら、
現在の大阪府北部が「北摂エリア」と言えるかと思います。
「北摂」というと、大阪だけのイメージですが昔の地図から考えますと、
兵庫県の東側一部も「北摂」に入りそうです。
明確な規定はありませんが、広義では「居住エリア」という考え方だけでも、
今の阪神北地域(宝塚市・川西市・伊丹市・三田市・猪名川町)も「北摂」に含まれます。
上記より、
狭義でいう「北摂エリア」は、池田市・茨木市・吹田市・摂津市・高槻市・豊中市・箕面市。
広義でいう「北摂エリア」は、北摂7市3町+宝塚市・川西市・伊丹市・三田市・猪名川町を含めたエリアを言うようです。
土地を探される方で、北摂と言われているのに宝塚市・川西市・伊丹市などの資料を提示すると、
きっと??となります。左記は「阪神間」と解釈される方が一般的かと思いますので、広義の意味で使用されることはほぼありません。
ということで、現在いわれる「北摂エリア」とは、大阪北部のことだと考えられます。
なぜ人気??
1.計画的な都市計画
1970年大阪万博の頃、そのエリア全体で取り入れた「歩者分離法」。歩行者事故を減らすとても有効な手法で、現在も世界的に広がりを見せている都市開発法です。
主にマンションなどの集合住宅に採用されるランドプランの1つである手法を、
豊中市と吹田市にまたがる千里ニュータウンは、
日本で初めて歩車分離の徹底を実施したことでも有名で、
平面的および立体的に分離された歩行者専用道に沿って、
学校や近隣センター、公園などがバランスよく配置されおり、非常にきれいな街並みになっています。
2.公園や緑道が豊富
北摂の特徴でもあった緑が多く自然豊かな街並みには、
整備された大小さまざまな公園がありバーベキューやキャンプができる施設もあります。
遠出しなくても十分楽しめる環境は、ファミリー層に支持される大切なポイントです。
3.鉄道会社の相互乗り入れが充実し、新幹線や空港にスムーズなアクセスが可能
御堂筋線・阪急各線・大阪モノレール・JR・新幹線・大阪空港など、
あらゆる場所に行き来するための公共交通機関が充実しています。
4.医療機関の充実
吹田市の国立循環器病研究センターを始めとした、
国立・府立・市立などの医療機関が充実し、
人口に対する割合では日本で最も医療機関が充実しているエリアだと言われています。