瑕疵担保免責特約を採用していたが瑕疵を売主の責任とされた事例

不動産事情

不動産を売却する場合、買主(不動産会社)、売主個人の場合で、 瑕疵担保免責特約を採用していたが瑕疵を売主の責任とされた事例


東京地裁令和4年3月11日裁判にて、
不動産売却の際、契約書に「瑕疵担保責任免責特約(現契約不適合責任免責)」を
謳っていたにも関わらず、売主に瑕疵の責任を認めた裁判がありました。

事件概要


・買主:宅建業者(A)、売主:個人共有(B、C、D)、管理会社:(D)

(D)が窓口になり、不動産取引が行われました。
この物件は、過去に、あるお部屋の天井に水漏れがありました。
水漏れがあったことを(D)と売主の一人(B)は把握していました。
しかし、買主にはそのことを伝えていませんでした。
この状況を知っている人は売主の中でも一人だけで、
他の共有者は知りませんでした。

その後、引渡後に水漏れが発生し、
調べると、過去にその箇所で水漏れがあったことがわかりました。
修繕記録も残っていました。
過去この箇所に水漏れがあったことは、
(B)と管理会社の(D)のみが把握していました。
修繕した際、原因を特定することができず、
あくまで応急処置をしただけでした。

引渡後に再度水漏れ(本件場所)と雨漏りが発生し、
過去の水漏れがあった事実を
買主は売主と管理会社からきいてませんでした。
そこで、売主は悪意(事実を知っていること)だったとして、
損害賠償請求を提起しました。
水漏れに伴う修繕費用、ユニットバス交換費用の総額、
395万円を請求しました。

判決要旨


裁判所は、買主の請求を一部認めました。

本件瑕疵の有無について、
1.(B)と(D)は遅くとも平成30年9月頃には、
管理会社からの連絡により、
本件水漏れが発生し、応急処置をしたが、
原因の特定まではしていないこと
2.修繕記録があること
3.その後、原因の特定をせず今回の契約をしていること

契約まで、原因が特定されていない状況だったので、
依然水漏れが発生している状況で契約に至ったことが認められた。
本件水漏れが建物として通常備えているべき品質や性能を満たさないもの
であることは明らかである。
売主が上記瑕疵を知りながら告げなかった場合に限り、
瑕疵担保責任を負うことになる。
請求は、修繕したユニットバス交換費用等総額395万円でしたが、
認められた請求は修繕費用の25万円でした。

まとめ


本事例は、瑕疵担保責任免責の条件での売買でしたが、
瑕疵について把握している人の責任を認め、
知らない共有者は責任を負わないという結論でした。
売却する場合は、買主がたとえ宅建業者であっても、
売主が把握しているマイナス面は極力買主に伝えることが重要です。

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