教皇選挙
先月の21日にローマカトリック教会のフランシスコ教皇（第266代ローマ教皇）が88歳で崩御されました。
2013年にアルゼンチン ブエノス・アイレス出身で史上初の南アメリカ出身また1280年ぶりのヨーロッパ以外の出身とする教皇となられました。
就任当初より弱者と環境を守ることが死と破壊に勝利する方法である。と社会的弱者の救済と環境保護を強調し、自ら質素と謙虚を重視されていました。
そのような考えは最期まで一貫しておられ、教皇の葬儀は豪華に執り行われるのが慣例であるが、清貧を重んじた教皇はあらかじめ自らの棺は簡素な木にするように伝えていたと報じられている。
また、亡くなった遺体は従来は聖ペトロ大聖堂に安置されるのが伝統であるが、これについても自身の遺体は蓋を開いた棺に納めたまま安置し
信者の追悼を受けられるように指示をしていた。
そして、ヴァチカンが発表した遺言では埋葬はヴァチカンではなくローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂に埋葬されることを希望されていた。サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂はローマの玄関口である（ローマ テルミ二駅）の近くにある大聖堂でさまざまな店舗が並び多様なルーツの人が行き交う賑やかで庶民的な地域である。歴代教皇の多くはヴァチカンの聖ペトロ大聖堂を墓所にされるがヴァチカン以外の場所に埋葬されることは、100年以上なかったそうです。
＊次期教皇
フランシスコ教皇の死去により新しい次期教皇を選ぶために教皇選挙会議＝コンクラーベが行われる。
コンクラーベは通常教皇の死去15日から20日以内に行われる。
全カトリック教会の最高司祭たるローマ教皇を枢機卿による投票で選出される。
コンクラーベとはラテン語で”鍵がかかった”と言う意味を持ち、カトリック教会の歴史の中で何世紀もかけて、他国の干渉を防止し秘密を保持するため練り上げられてきたものである。
この度のコンクラーベには日本からも大阪と東京から2名の枢機卿が参加されており
東京大司教区の菊池功氏は、インタビューでフランシスコ教皇が進められた教会改革で道半ばとなった
性的虐待の被害者への対応やヴァチカン（教皇庁）の財政難の問題を挙げられている。
社会の価値観が多様化する中「全ての人のための宗教」であり続けるには、信者らの声を広く取り入れた「ともに歩む」協会運営が求められ、次期教皇にはフランシスコ教皇が着手した改革を強いリーダーシップで実行に移していける人が適任ではないかと言われている。
ヴァチカンは国家でもあり、世界中に信徒をもつ影響力と非暴力の立場を生かし核廃絶などのメッセージを力強く発することが重要だと唱えている。
＊投票
投票は無記名式で行われ第一日目の午後から1回目の投票が行われる。1回目で決まらなかった場合、2日目以降からは1日午前2回、午後2回の計4回の投票が行われる。3日目になっても決まらない場合、最年長者による祈りと講話が行われる。投票により決定するまで続けられる。
＊決定と受諾
それぞれの投票において投票用紙は焼却されることになっている。焼却される際に新教皇が決まった場合塩素酸カリウム、乳糖、松脂の混合物を投票用紙にまぜて燃やし礼拝堂の煙突から白い煙を出し、サン・ピエトロ大聖堂の鐘を鳴らして正式な合図を知らせる。
ちなみに、不決定の場合の合図は過塩素酸カリウム・アントラセン・硫黄の化合物を投票用紙と共に燃やし黒い煙を出して合図を送ることになっている。
投票で選ばれた教皇は就任時に自身の教皇名を自ら決める慣習になっている。その後新教皇は白衣をまとい、「漁夫の指輪」を受け取り枢機卿団から敬意の表明を受ける。次に枢機卿の最年長者がサン・ピエトロ大聖堂の広場を見下ろすバルコニーに出て新教皇の決定を発表する。
そして新教皇は初めての祝福を与えることになっている。
今日５月7日より投票が始まるが次期教皇もフランシスコ教皇の意思を継いで世界平和へと導かれることを願います。
